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【コラム】多雨と排水性の話

2021年09月07日

お世話になります。

静岡県富士市の外構・エクステリア専門店、グリーンテル緑訓の代表:藤田です。

今回のコラムは、今夏の多雨と土の排水性についてお話ししようと思います。

 

しかし、今年の夏は本当に雨の日が多く、植物愛好家の皆様や農家の皆様の多くが頭を悩ませたことでしょう。おまけに今年の夏は晴れの日も少なく日照時間も短かったため、根が水に浸かりすぎてしまい根に影響が出ている可能性があります。それは、庭に植えている樹木に対しても一緒のことが言えます。

 

せっかく長い時間をかけて根が伸びても、長いこと水に浸った根は土の中で蒸れてしまい、鉢の中が蒸し風呂状態になってしまってダメになってしまうことがありますので、雨の多い夏季は特にご注意です。

 

元々日本にある木は比較的高温多湿の状況下でもなんとか持ち堪えやすい傾向にありますが、お花は雨に弱く、外来種の植物は元々日本の気候には適していないことがあるため、そのような植物はこの状況は結構な大打撃。。事実、弊社の在庫の2〜3割が今シーズンこのような状況でダメになってしまいました。

 

乾燥地帯出身の植物には風を当てる

基本的に植物は、風通しが良く、水捌けの良い土壌を好みます。今夏のような気候が続く場合には、植物に扇風機を当てたり適度に選定したりして風通しを良くする必要があります。鉢物は軒下に移動して、雨に充てない方が好ましいでしょう。(オージープランツや、西海岸由来の植物は湿気に弱く、乾燥気味が好ましい環境です。そのため風を当ててあげることは非常に有効的です。)


鉢の種類で育て方を変えてみる。

最近では、サボテンも人気の一種です。サボテンは栄養分はあまり必要はないと言われおりますが、水捌けが命といっても過言ではないほど水捌けは大切で、水の扱いはとても大切です。

皆様は、暑い時期のサボテン等は、どのように育てておられますか?猛烈な日差しの炎天下の下では植物たちも苦しい思いをしてしまいます。可能であれば、夏真っ盛りの炎天下では鉢物は日陰に移動してあげてください。鉢の種類によっては、真夏の炎天下では根が焼けてしまうこともあります。

 

鉢には色々な種類があります。プラ鉢、廃プラ鉢、FRP鉢、陶器製の鉢などなど、素材も色も多種多様。鉢も種類によって熱の吸収率と鉢中の土の乾燥の具合が、かなり変わってきます。暗い色になればなるほど、熱を持ちやすい傾向があり、高温多湿には要注意。


それぞれの鉢のメリット・デメリットに関して

 

プラスチック鉢のメリット

・軽いので扱いやすい
・鉢内の温度が上がりやすい(根張りが良くなることも)
・水もちがよい

プラスチックの鉢のよいとことは何といっても「軽い」ということです。様々な種類の植物に使えることもあり、いろんな形、色のプラスティック鉢が市販されています。最近ではテラコッタ鉢のようなおしゃれなデザインのものなど、形、色、サイズも豊富にあるのが特徴です。また、プラの鉢のいところは、根の育成が進んだ(進みすぎたもの)時にプラスチックの鉢がパンパンになるため、根の成長が視覚的にわかり易いことも挙げられます。

 

プラスチック鉢のデメリット

・通気性が陶器鉢より悪いため、過湿に注意する必要がある。
・高温になりやすく、根に注意!

プラスティック鉢は陶器の物とは異なり、側面からの排水・通気性は全くできません。そのため、鉢の中は蒸れやすい状態です。夏場の高温時は鉢の温度が上がりやすくなり、高温で根が傷んでしますことがあるので、要注意!夏場の管理(保管場所、水やり等)が少し難しい鉢なので、注意が必要です。


陶器鉢のメリット

・排水性が良い。
・気泡があるので、鉢内の気温が上がりすぎない。
・通気性がよいので、根腐れしにくい
・過湿を防止してくれる

鉢の中でも最もポピュラーな鉢の陶器製の鉢は、幅広いジャンルの植物に使え、使い勝手も良い鉢です。陶器鉢は粘土を焼いて作られているため、鉢の表面全体に小さな穴が開いています。そのため、排水性と通気性はばっちり!通気性が良い分、乾燥しやすいため乾燥を好む種類の植物にも向いているでしょう。今流行のオージープランツや西海岸の植物には向いていると思います。陶器鉢は水分が多い時には水を吸ってくれて、水分が足りていないときには水をはいてくれるので、植物の観点からみると、非常に理にかなっている素材です。陶器の鉢でもミネラル分を貯めてくれます。また、デザイン性にも富んでいて、好みに合わせた選択肢がたくさんあることも魅力ですよね。

 

陶器鉢のデメリット

・陶器なので、重たい。
・少しの衝撃で割れてしまう。
・カビが生え易い。

素材は粘土のため、プラスチック鉢と比べると重たいことが特徴です。欠けたり割れやすいのもデメリットのひとつ。しかし金額が高い傾向にあり、簡単に割れてしまうのが玉に瑕。重さもあるので、女性には扱いにくい素材かもしれません。

 

陶器は陶器でもここを忘れずに!

陶器製の鉢にも、主に2種類あることをお忘れなく!陶器製の鉢でも、表面に上薬を塗っているタイプは水が蒸発しないので、プラスティック製の鉢と変わらないものもあります。上薬を塗っていないものの方が排水性は高いこともお忘れなく!大切なのは、鉢の材質によって、排水性の高い土に変えてあげることです。


スリット鉢のメリット

・水捌けが非常に良い。
・鉢内で根が巻かないような設計になっている。
・自然な形での根の育成が可能。

皆様にお勧めしたいのは、このスリット鉢。スリット鉢という名の通り、プラスチック製でサイドに深いスリットが入っているものをスリット鉢と呼びます。色は深いグリーンのものが主流です。(必ず皆さんみたことあると思います。)スリット鉢は根っこが鉢の中で、ぐるっとならないように作られているため、自然環境に近い形で下へ根が伸びるようになっています。そのため生育もよくなり、花付き、実付きにも効果が期待される万能な鉢です。

 

スリット鉢のデメリット

・スリットから土が流れ出ることがある

スリット鉢は見た目よりも機能性を重視している鉢なので、排水性を上げてくれるスリットが深く入っているため、植え替え直後は土が漏れることも。排水性が高い分、こまめに土の状態を確認する必要があります。


大切なのは、根の先っぽ。

植物は根っこの先端の細かい根の部分(根毛:こんもう)で養分や水分を吸います。根っこの上の部分からは養分や水分は吸うことができません。そのため、鉢の底に水が溜まっていると、吸いすぎてしまい先端の根が腐りやすくなります。

大切なのは、鉢の素材によって、土の排水性を変えてあげることだと思います。

(以前のコラムでRYOKKUNオリジナル土の作り方を書いています。詳しくはこちら)

 

地植えの場合

植物愛好家の皆様の中には、最終的に路地(地面)に植えたい!という思いが出てくる傾向にありますが、地面へ直接植えた場合、土地の土質が場所によってまちまちですので、なんとも言い難いです。しかし、共通して言えることは、排水性を良くしてあげることが成功への秘訣です。

芝生も排水性を求めます。平面の芝生は所々はげてしまったが、のり面に生えている芝生は元気。なんてことありませんか?それは、平面の水が溜まるところ(排水性が悪いところ)の芝生は剥げてしまうからです。

 

地植えの際のポイントは、

「平面に作らないこと。排水性をあげること。」

です。日本の植物も海外の植物も水捌けを好む。苔も排水性が重要。

水が嫌いな植物はのりめんに植えた方が良いでしょう。

レモン、みかんは斜面に植えられているのもこの原理と同じです。植物は排水性が命なのです。

 

ph調整について

土の排水性も大切ですが、今回は少しマニアックな「ph調整」についてもお話ししてみようと思います。皆さん酸性雨(さんせいう)という言葉は一度は聞いたことはあるでしょう。雨は土の成分を崩して行ってしまいます。植物が好むのは、やはり中性の土壌です。(酸性でもアルカリ性でもない状態)日本の雨は酸性ですので、中性に戻してあげた方が育ちは良くなります。

「今年は雨が降りすぎたので、土壌のphチェックでもしてみようかな。」なんて思えたら、あなたはもう植物博士の卵!そういった部分まで、気にしてあげることもより素敵な植物ライフを送るには大切な観点かもしれませんね。


土壌改良はどうやってやったらいいの?

では、具体的に酸性になってしまった土壌を調整して中世に戻すにはどのようなことをやってあげればいいのでしょうか。ホームセンターに行くとph調整剤も売っていますが、代表的なのは苦土石灰を散布してあげることです。苦土石灰は、酸性になった土壌を中性に戻してくれる役割をしてくれます。

また、牡蠣の殻を砕いた「かきがら石灰」も有名な調整剤のひとつですよね。

 

雨と植物、鉢と土壌改善。

植物は本当に奥が深く、手を入れただけ成長で答えを返してくれます。

 

今回のコラムで、少しでも皆様の快適な植物ライフの一助となることができれば、大変嬉しく思います。

 

株式会社グリーンテル緑訓

代表:藤田